更新日:2024年10月23日
海の道むなかた館では、10月から第2展示室で「宗像の船と造船技術」に関連した展示を行っています。
宗像地域は、古代の沖ノ島祭祀(さいし)や中世の宗像大宮司家の中国宋との貿易、そして近世の鐘崎海女(あま)が日本海沿岸を中心に出稼ぎへ出た「アマアルキ」など、古来から海を介した活動が盛んだったことから、それらを物語る史資料が数多く残っています。
そこで、国登録有形民俗文化財の船大工道具を中心に漁船模型などを展示し、宗像の船や造船工程について解説しています。
宗像地域で使用された漁船の特徴として「間たらずの舟」があります。通常の漁船は、表・胴・中・艫(とも)の4空間で構成されますが、この舟は「間たらずの舟」の名のとおり「中」の部分が一間少ない3空間で構成されています。
この船が使われるようになった背景は、潜水漁の際に小回りが利くことなどが考えられています。
明治時代の終わりごろ、鐘崎から朝鮮半島近海へこの小さな舟でサワラ釣漁に出ていたという話があり、小型の船を巧みに操った漁師たちの技術の高さや勇敢さが伝わってきます。
第2展示室は、海の道むなかた館内・市民図書館深田分館横の通路にあります。
(文化財職員・向井)
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場所:海の道むなかた館
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