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時間旅行ムナカタ第115回「夏の風物詩 盆踊り」

更新日:2024年7月18日

「月がぁ出た出ぇた~」軽快なリズムで始まる炭坑節は、一度は耳にしたことがある盆踊りの定番曲で、もとは炭坑の労働歌だったものが戦後全国的に広まり有名になりました。ちょうちん飾りの櫓(やぐら)を中心にうちわを持ち輪になって踊るその姿は、つい最近まで夏の風物詩でした。盆踊りは、この世に帰ってくる先祖の霊を慰め、送り出す気持ちを込めて行われ、その起源は鎌倉時代までさかのぼるとされます。江戸時代には、娯楽的要素も加わり庶民の文化として根付き、隆盛を極めました。つい数十年前までは「盆に帰省した友人たちと酒を飲み交わしながら朝方まで踊り明かしたものだ」という地域の声を耳にします。
現在の盆踊りは、全国的に見れば町内会などの行事として行われることがほとんどですが、市内沿岸部では今も伝統的な盆踊りが受け継がれ、鐘崎の盆踊りは福岡県、神湊の盆踊りは宗像市の無形民俗文化財に指定されています。
鐘崎では、8月14日に初盆供養、16日に戦没者・海難者先祖供養の盆踊りがあり、その後17日から24日までは地区のどこかで盆踊りが毎晩行われ、太鼓や口説きの音色が響き渡ります。この鐘崎盆踊りは、口説きと太鼓と踊りの「三位一体」で構成され、口説きは佐渡、太鼓は能登、踊りは南方から伝わったといわれます。また、神湊では、8月14日と19日に盆踊りが行われます。江戸時代に商船の上方商人が「手踊り」を教えたことに由来し、唄・三味線・太鼓の情緒深い節回しと優雅な踊りは、一般的な盆踊りとは異なり、芸能の域に達するといわれます。市内沿岸部の盆踊りはその起源が遠方から伝えられている点に特徴があり、当時の海を介した人やモノの動きが活発だったことを物語っています。
盆踊りの輪に入るのは、最初は少し気恥ずかしいものですが、みんなで踊ると意外と楽しいものです。お盆にはぜひ踊りの輪に入りノスタルジックな雰囲気に浸るのもいいのではないでしょうか。
(文化財職員・山田)

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鐘崎盆踊り

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神湊盆踊り

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