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時間旅行ムナカタ第88回「日本人とイノシシ」

更新日:2021年7月29日

今年の干支(えと)は猪ですが、中国では豚年です。なぜ日本では豚が猪に変化したかというと、干支の考えが中国から伝来した当時、日本には豚がおらず、身近にいた猪に置き換わったためと考えられています。また、干支が伝来する前の弥生時代にも北部九州地方に猪を家畜化した豚を飼う文化が入ってきました。しかし、森林が豊かな日本では、ふんだんに猪が獲れていたので、すぐに廃れてしまったようです。

宗像市内の遺跡でも、猪に関連する遺物が出土しています。石丸遺跡(弥生時代の遺跡)では、ごみ捨て場のような穴から狸や貝と一緒に猪の骨が見つかっています。猪を食べた後に廃棄したのではないかと考えられています。

続く古墳時代でも身近な存在だったようで、久原澤田(くばらさわだ)古墳群では、土器で作られた手のひらに乗る大きさのミニチュア猪が出土しています。たくましく盛り上がった背中や円盤状の鼻鏡(びきょう)(鼻先)が表現され、特徴をよくとらえています。もとは、須恵器の装飾器台(そうしょくきだい)など祭祀(さいし)に使う土器の飾りで、それが外れて単独となったものでしょう。付近からイヌ形土製品も発見されていて、これらが一つの土器に取り付けられていたとすると、ジオラマ模型のように古墳時代の狩りの場面を再現していた可能性があります。

 (文化財職員・田子森)

 

  • 久原澤田古墳群出土ミニチュアのイノシシの画像

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