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時間旅行ムナカタ第64回「海の道むなかた館夏の企画展」

更新日:2021年7月29日

昔、宗像大社では漂着物を利用していたことを知っていますか?現在では、あまり見かけられませんが、戦後の高度経済成長期前までは宗像の海岸でも近隣の住民はよく利用していました。海の道むなかた館では、夏の企画展として宗像の漂着物を紹介します。

漂着物展を見に行こう

日時

平成28年7月20日(水曜日)から9月4日(日曜日)まで

場所

海の道むなかた館


さまざまな漂着物について実物を交えながら、パネルで紹介します。また、浜辺を歩く機会があれば、ぜひ辺りを見渡してください。おもしろい発見があるかもしれません。

さまざまな漂着物

 満潮線にたまる漂着物

漂着物といえば、ヤシの実や手紙の入った瓶などロマンを感じるものを思い浮かべますが、実際には自然物・人工物を問わずさまざまなものが漂着し、人々はそれを利用していました。

自然の流木や船体は建材や燃料として、無事な積荷はそのまま商品として利用されたのでしょう。クジラが寄せられれば、食料・燃料・工芸品の材料などに利用され、1頭で7つの浦(漁村)が潤ったといわれています。

人工物のペットボトル、ビニール袋、壊れた漁労具、原油は、環境に悪影響を与え、生態系を破壊してしまうこともあります。例えばウミガメが、ビニール袋を大好物であるクラゲと間違えて食べ、消化されないために、空腹を感じないまま過ごし、餓死してしまったとの報告もあります。

 

漂着物を宗像大社も活用

宗像大社に伝わる国指定重要文化財である『宗像神社文書』の中には、その昔、現在の遠賀郡芦屋町の芦屋漁港付近から糟屋郡新宮町の新宮漁港付近までの約45kmの区間に漂着した船舶や、その積荷の所有権を宗像大社が持ち、その収益を神社本社とは別の摂末70余社の修繕費に使っていたとの記録が残っています。

 

小さな厄介者

マイクロプラスチックと呼ばれる大きさ5mm以下のプラスチック片です。1970年代に初めて発見され、海中に漂っている有害物質を吸着・濃縮していることが問題になっています。大きさから魚卵と間違えて小魚が食べ、その小魚を大型魚類や鳥類が食べ、最終的に人間の体内へと摂取される可能性が指摘されています。

米国では、オバマ大統領が昨年12月にマイクロプラスチックの使用禁止に関する法案に署名し、本格的な使用規制に乗り出しました。また、国内外のメーカーの中には、自主規制に乗り出している会社もあります。

 漂着物学の創始者・石井忠さん

漂着物の研究で、福津市在住だった故石井忠さんの業績は、目を見張るものがあります。高校教師として生徒を指導しながら、ライフワークとして自宅近くの海岸を毎日のように歩き、さまざまな漂着物を収集・分類しました。

石井先生は、集めた漂着物から歴史や文化を読み解いていく「海浜漂着物文化論」を提唱し、漂着物を学問の域にまで押し上げました。2001年には7人の同志と共に、漂着物学会を設立して初代会長に就任。市では、旧大島村民具資料館や旧玄海町民俗資料館の展示指導や漂着物の寄贈を受け、市文化財保護審議会の会長も務められました。

 

(文化財職員・坂本雄介)

似ているけど違うアオイガイオウムガイ

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このページに関する問い合わせ先

教育部 世界遺産課
場所:海の道むなかた館
電話番号:0940-62-2600
ファクス番号:0940-62-2601