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時間旅行ムナカタ第52回「人々の祈り山笠」

更新日:2021年7月29日

夏といえば、音の100選にも選ばれた「おっしょい、おっしょい」の勇壮な掛け声に勢い水(きおいみず)をかぶり、山を舁(か)く博多の夏の風物詩、「博多祇園山笠」の風景が目に浮かびます。今回は、人々の祈りが込められた宗像市の祇園山笠について紹介します。 

博多祇園山笠ってどんな祭り?

 諸説ある中で、鎌倉時代の仁治(にんじ)2年(1241年)に博多のまちで疫病がはやったとき、博多の臨済宗東福寺派、萬松山承天寺(ばんしょうざんじょうてんじ)の開祖である留学僧・円爾弁円(えんにべんねん)=聖一国師(しょういちこくし)が、盆に、地獄の亡者に食べ物を与えるための施餓鬼棚(せがきだな)に乗り、災いをはらうための祈祷(きとう)水=甘露水をまいて、疫病封じをしたことが始まりとされます。

災いや厄難を取り除くための祇園祭りの信仰とも交じり合い、祇園山笠祭りができたと伝えられています。これが各地に広まり、現在の祇園山笠となったと思われます。

祇園「山笠」のいろいろ

山笠は、地域によって「やま」といったり、「だし」といったりします。博多の山笠は、「やま=山」といい、台に車輪が付かず、みんなで担いで動かすもので、舁き山といいます。また、「こんちきちん」の音色で知られる京都の祇園山笠は、「だし=山車」といって、みんなで引き動かすため、曳(ひき)山といいます。

 

宗像市の祇園山笠

 多くの祇園山笠が姿を消す中、宗像市では「田熊、鐘崎、地島、大島」4地区で、祇園山笠の保存会をつくり伝統を引き継いでいます。始まりは定かではありませんが、疫病封じのために祭りが始められたと語られることから、博多祇園山笠の起こりを基にされていると考えられます。

田熊祇園山笠

 田熊祇園山笠は、東郷小学校裏にある示現(じげん)神社に奉納されています。博多祇園山笠に倣い、災いを払うために6月下旬に勝浦浜まで砂を取りに行く「おしおい」取りという行事もあります。7月5日には、いせきんぐ宗像に勇壮な人形で飾り立てた飾り山が組み上げられました。

 

いせきんぐ宗像オープニングイベントに登場

 今年は、7月19日(日曜日)に開催される田熊石畑遺跡歴史公園・愛称「いせきんぐ宗像」を基点に、田熊祇園山笠が勇壮に疾走します。これで「いせきんぐ宗像」の安全祈願ができると信じています。

(文化財職員・安部裕久)

田熊祇園山笠
田熊祇園山笠を舁(か)く勇ましい姿

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