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時間旅行ムナカタ第106回「女神の機織り(上)」

更新日:2023年3月19日

「衣食住」は人間生活の三大要素といわれますが、今回はその筆頭に掲げられている「衣」に注目し、布を織りなす機織りの歴史についてみていきましょう。

機織りの技術は弥生時代早期に稲作文化とともに中国や朝鮮半島から我が国に伝えられ発展し、織物は奈良時代以降、お米とともにお金の役割を兼ねた物品貨幣でした。宗像と機織りの関わりについて『日本書紀』に次のような記述があります。

「応神天皇から(機織り技術者)を求める命を受けた使者は、古代中国呉の王から4人の縫工女を与えられ、彼女らとともに呉から筑紫に帰国したところ、が縫工女を求めたため1人を献上した」。伝説的な記述ですが、支配的な立場のヤマト王権であっても胸形神の要望には応える必要があるということと、当時最新の機織り技術が宗像の地に及んでいたことを示唆しています。

この古代の機織りの技術を知る考古資料が宗像大社辺津宮に残されています。国宝と呼ばれ、ほぼ全ての部品がそろった機織り具の精巧なひな形で、実際に布を織ることができます。高機とありますが、実際にはとよばれる高機よりも一段階古い機織り具です。奈良から平安時代のこの種の機織り具はを足ひもで引く「足引き技法」の原型で、女神に奉納するにふさわしい壮麗な奉献品です。

次回は、この機織り具にまつわる怪奇現象、そして現代人が挑戦した機織り具の復元についてお話しします。    (文化財職員白木)

 

  • 金銅製高機(宗像大社蔵)の画像

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