更新日:2022年8月26日
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産登録5周年記念事業の一環として、沖ノ島を担った人々にスポットを当てた企画展「沖ノ島祭祀を担ったたち」を九州国立博物館で開催します。企画展では市内出土品約30点を展示、「海を望む在地首長たちと沖ノ島祭祀」「海の民と沖ノ島祭祀」「十二銭が語る中央と宗像」 の3本柱で構成し、彼らの知られざる実態をひもときます。
これに先立って、展示資料の中で、中央と宗像を物語るおもしろい一品を紹介します。それが、三郎丸今井城遺跡から出土したヘラ書き須恵器(8世紀)の破片です。一見すると地味ですが、よく見ると「由加主□(ゆかぬし□)」と書かれています。手慣れた筆跡で、これを書いた人物の読み書きの習熟度がうかがえます。「由加」とは甕のこと、「主」は持ち主のことを指します。最後の文字(□部分)はウ冠の下にヨコ棒2本が読み取れることから「宗」か「完」ですが、宗像の「宗」と考えたほうが自然でしょう。「宗像」で始まる人名か、「宗像」の地名が書かれていたと思われます。
そしてこの文字は、鏡などの鋳造で作られた文字を除くと、市内で発見された最古(8世紀)の文字です。こうした文字を知る人物が奈良時代の宗像地域を支えていたことが分かります。
(文化財職員・太田)
世界遺産登録5周年記念企画展
「沖ノ島祭祀を担った奉斎者たち」
日時
9月21日(水曜日)から12月4日(日曜日)
場所
九州国立博物館4階・文化交流展示室、基本展示室
- 入館料など詳細は同博物館(下記関連リンク)で確認を
関連リンク
- 九州国立博物館ホームページ(外部サイトにリンクします)
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