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時間旅行むなかた第102回「お金の話・始まり編」

更新日:2022年2月22日

日本最古のお金

我が国最古の銭貨といえば、今では「富本銭」(683年頃発行)といわれます。奈良県明日香村の飛鳥池遺跡で平成11(1999)年、富本銭の製作工房が発見され、長らく最古とされていた「和同開珎」(708年発行)より前に発行されたことが明らかになりました。今では和同開珎は日本最古の銭貨ではなくなりましたが、この発行には国家のある重要な目的がありました。それは、奈良の都、平城京の造営です。銭貨の発行は、この国家プロジェクトの莫大な経費をまかなうためと考えられています。つまり、国家の信用を背景に銅素材の価値以上の価値を与え、その差額が財政収入となるのです。当初は、和同開珎1枚で1日の労働賃金、お米では2キログラム程度の価値が設定されていました。

呪物としてのお金

地方では、銭貨はお金として使われず、不思議な力を持つ呪物として地中に埋納されることがあります。宗像市でも平成5(1993)年に和同開珎、万年通宝(760年発行)、神功開宝(765年発行)の3種合計121枚が三郎丸今井城遺跡から出土し注目されました。一度に百枚以上も出土した例は、当時九州の行政権を握っていた古都大宰府付近でも見当たらず、宗像のみです。この背景を探るのは容易ではありませんが、宗像氏一族と中央との伝統的なつながりが関係しているのかもしれません。銭貨の埋められた奈良時代後半(8世紀後半)頃には都で仕官し、なかには貴族の末端となる者も現れています。このような人々の活動によって、都周辺から直接的に宗像の地にもたらされたことも考えられます。

(文化財職員・白木)

  • 和同開珎(拓影)の画像

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