更新日:2021年7月29日
古代宗像人のあしあと
海の道むなかた館では、11月29日(日曜日)まで古代の宗像の人々に焦点を当てた特別展「古代ムナカタ海人の世界」が開催中。あわせて常設展示にも古代宗像人の活動を示す土器を展示しています。
宗像型土師器高坏(むなかたがたはじきたかつき)
今回新たに展示している土器は、古墳時代後期に出現する「宗像型土師器高坏」とよばれ、近年注目されているものです。土師器とは素焼きの土器のことで、高杯とは食物などを盛り付けるための器で、脚長の台の上にお皿を付けたような形をしています(下方写真)。
この高坏という種類の器は、古墳時代には全国に分布していますが、写真で見るような高坏は、九州国立博物館の小嶋篤さんの研究で、宗像を中心に分布していることが分かってきました。小嶋さんは、この高坏が宗像地域を中心に若宮盆地や遠賀川下流域に濃密に分布しているため、古代の宗像の人々の交流範囲を示しているのではないかと考えています(下図参照)。
古代の宗像の人々の移動や政治的結束を知る手がかりとなるこの土器を、ぜひ一度見に来てください。(文化財職員・田子森)
宗像型土師器高杯の分布
- 出典=小嶋篤/著 『九州歴史資料館研究論集37「墓制と領域―胸肩君一族の足跡―」』
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