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時間旅行ムナカタ第66回「むなかたの山岳信仰四塚連山に見守られてきた暮らし」

更新日:2021年7月29日

自然をあがめることは私たちの生活の中に身近なものとして存在し、大きな岩や巨木、日の出などのパワースポットに行くことや、秋祭りなどの行事は、自然を畏れ敬うことの表れとして捉えることができます。宗像の地でも、古来より山々をあがめる山岳信仰が行われ、今でも、その名残を目にすることができます。

 

現在も残る自然を畏れ敬う心

海、山、川に囲まれ過ごしてきた私たちの祖先は、自然の恵みに感謝し、大風や大雨などの自然現象などの目に見えない大きな力に霊力を感じ、畏れ、敬いながら日々を過ごしてきました。これらは自然崇拝と呼ばれ、わが国の歴史文化を形成してきた要素の一つとして、古来より私たちの生活に影響を与えてきました。

中でも、山々の持つ神秘的な力を神聖視し崇拝するようになったものは山岳信仰と呼ばれ、世界遺産に登録された富士山も古来より山岳信仰の対象とされてきました。私たちの住む宗像は、山より海のほうが連想されがちですが、宗像のシンボル、四塚連山も古来より秘かに山岳信仰の対象とされてきました。

 

山岳信仰と仏教の融合修験道

  • 四塚連山
    修験道の修行の場となった四塚連山

神社では神秘的で霊力の宿る山々をご神体として祀(まつ)り、お寺では山々を修行や生活の場とするなど、宗教の中にも山々に対する信仰を見ることができます。そして、山岳信仰と仏教が融合し成立した日本独自の宗教が修験道です。修験者(山伏)たちは、山々で厳しい修行をすることで山々の持つ力を体得し、人々を救う存在になることを目指しました。九州では、英彦山、宝満山、脊振山が山伏たちの厳しい修行の場として有名ですが、山伏たちは宗像の四塚連山でも山々を巡って苦行を行い、祈祷を行いました。私たちの身近なところでは、鎮国寺で毎年4月28日に奉修される柴灯大護摩供(さいとうだいごまく)の時に彼らの姿を目にすることができます。

 

~秋の特別展~50年ぶりの里帰り

  • 金銅製如来立像
    豊かな自然の中で祈りをささげられていた証
  • (金銅製如来立像/英彦山新宮)

 

経典を経筒の中に入れて土の中に埋納した経塚は、中世に盛行しました。山頂や山中から発見されることが多く、これらの行為は中世の人々の山々に対する畏れや敬いの表現の一つです。

特に、福岡は経塚が多く築かれた地域で、これまでに70カ所以上で発見されています。今回の特別展では、福岡で出土した経筒5点を展示します。中でも、50年ぶりの里帰りが実現した山田経塚出土品(銅製経筒、滑石製外容器、青白磁合子、青白磁小壺、青白磁栓、青白磁残片〈青白磁の破片〉、経巻)は注目の展示品の一つです。1964年に四塚連山の麓の山田地区から畑の開墾中に偶然見つかったもので、長らく東京国立博物館で管理されていました。銅製経筒の外面には今から900年ほど前の大治5年(1130年)の銘を見ることができます。

(文化財職員・山田広幸)

 

 

 

 

 

 

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教育部 世界遺産課
場所:海の道むなかた館
電話番号:0940-62-2600
ファクス番号:0940-62-2601