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時間旅行ムナカタ第42回「さまざまな収穫に感謝『秋祭り』」

更新日:2021年7月28日

秋になると、風物詩である稲刈りの様子が各地でみられるようになります。そして、稲をはじめとする農産物が無事に収穫されたことを祝い、来年も豊作であることを祈り、神社や農村、各家庭で大小さまざまな祭りが開催されます。

秋祭り

秋祭りは、食物を得る方法が、狩猟採集から栽培耕作へ変わったころに始まった収穫を感謝する行事が起源と考えられています。時代や地域の特色、信仰によって、さまざまな形に変化しながら、収穫を感謝する祭りが各地に伝えられています。

宗像大社の秋季大祭

毎年10月1日から同3日まで実施されるこの祭りは、「田島放生会(たしまほうじょうや)」とも呼ばれています。1日の神迎え神事である「みあれ祭」に始まり、3日の神送り神事である「高宮神奈備祭(たかみやかんなびさい)」まで3日間にわたり、五穀豊穣、海上安全と大漁などを感謝する秋祭りです。

「みあれ祭」は、中世に実施されていた「御長手神事(みながてしんじ)」を昭和37年に再興したもの。沖津宮(沖ノ島)の田心姫神(たごりひめのかみ)と中津宮(大島)の湍津姫神(たぎつひめのかみ)を、辺津宮(田島)の市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)が迎える神事です。宗像七浦の漁船約100隻が、「紅白の吹き流し(御長手/みながて)」や、色とりどりの大漁旗をはためかせながら、大島港から鐘崎を回り神湊港へ、約1時間にわたる海上神幸を実施します。

祭り期間中は、主基(すき)地方風俗舞(市指定民俗文化財)や翁舞、浦安舞が奉納される他、流鏑馬(やぶさめ)神事も実施されます。

みあれ祭の海上神幸
みあれ祭の海上神幸

八所宮の秋季大祭

毎年10月第3土曜日と日曜日に開かれる祭りは、「八所宮さまのおくんち」とも呼ばれる、五穀豊穣と無病息災を祈願する秋祭りです。祭りの起源はよく分かりませんが、江戸時代に疫病がはやったのを機に無病息災を願って始まったといわれています。享保年間(1716年から1735年)に盛んに実施された記録が残っています。その後衰退し、寛延初年(1748)ごろに再興され、幕末から明治初期に一時中断しましたが、現在まで伝えられています。

土曜日の22時から実施される大名行列を模した神幸は、鷹(たか)持ちの子どもを先頭に、総勢約200人の氏子が、1時間ほどかけて約1キロメートル離れた釣川側の仮宮まで行きます。清めの神事を実施後、13時ごろから、暗闇の中を行列は再び八所宮に戻ります。

八所宮の秋季大祭
八所宮の秋季大祭

今も受け継がれる祭り

今も受け継がれる祭り各地にある神社では、規模の大小はありますが、収穫を感謝する秋祭りが実施されます。
祭りでの神事は、生活習慣の変化や後継者問題などで昔に比べ随分簡略化された部分もありますが、昔と同じ収穫を感謝する気持ちは変わっていません。

秋祭りに出かけ、秋の収穫を感謝してみてはいかがでしょうか。伝統的な暮らしが発見できるかもしれませんよ。

(文化財職員・判田博明)

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