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時間旅行ムナカタ第12回「極楽浄土の世界を思う」

更新日:2021年7月28日

先祖をしのぶ「お彼岸」の法要

もうすぐ春分の日。今回は、春分の日に全国各地で開かれる「彼岸会(ひがんえ)」と、その背景にある「極楽浄土」、そして、中世の宗像の人々が夢見た極楽浄土への世界観に迫ります。

彼岸会とは、春と秋の2回、真西に沈む太陽に向かって礼拝し、極楽浄土を心に念じて祖先の霊をしのぶ法要です。この法要は、日本独自のもので、古くは平安時代の初め、西暦806年に開かれたことが日本後紀に記録されています。

人々を救済する「極楽浄土来迎」

彼岸会のころ、人々の願いを聞いた阿弥陀様は、その救済に奔走します。彼岸の彼方から観音様を派遣し、全ての人々を極楽浄土に迎え入れようとします。
極楽浄土に阿弥陀様、その両脇に観音菩薩と勢至菩薩が控え、33の姿に変化した観音様たちが行列となって、人々の救済に当たります。この行列を「極楽浄土来迎」と言います。
より多く人々を救済するために千本の手を持つ「千手観音」、より多くの人の願いを聞き入れることができる「十一面観音」、人だけではなく多くの動物までも救済する「馬頭観音」など、その変化はさまざまです。

人々の願いで造られた仏像

市内吉武地区の吉留区には、平安時代に造られた多くの仏像が安置されています。
市指定有形文化財の阿弥陀如来立像は、高さは95センチ程で、いくつかの材木をつなぎ合わせた寄木造りの仏像です。ケヤキを使った丁寧なこしらえは、奈良や京都で修行を積んだ仏師の手によるものでしょう。
製作費用もかなりのものだったでしょうが、吉留区の人々は、極楽浄土の世界を夢見て仏像の造営に取りかかったのでしょう。現在も大切にお堂に安置され、人々の厚い崇敬を受けています。
また、県指定有形文化財の十一面観音立像は、一木造りの仏像です。素朴な部分を残すこの仏像は、地方の仏師の手によるものと考えられ、吉留区の人々がより自分たちの力で極楽浄土の世界に行くことを夢見たのではないでしょうか。
数ある仏像の中から、より多くの願いを聞き入れ、より多くの目配りができる十一面観音を製作したところにも、その意気込みが感じられます。 

  • 県の指定有形文化財「十一面観音立像」の画像
  • 市の指定有形文化財「阿弥陀如来立像」の画像

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