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時間旅行ムナカタ第107回「女神の機織り(下)」

更新日:2023年3月19日

前回は、機織りの歴史や宗像大社辺津宮に伝わる機織り具のミニチュア「金銅製高機(こんどうせいたかはた)」についてお話しました。今回はその続編です。

江戸時代の「筑前国続諸社縁起」(17世紀初頭・貝原益軒)に次のような記録があります。「初代福岡藩主の黒田長政が筑前に入国して間もないころ、沖ノ島の神宝のことを聞き、れる神職を無視してキリシタンの者に命じ、島から「金の機物(はたもの)」を取り寄せた。その神宝を城の櫓(やぐら)に保管していたところ、金の機物が鳴動(めいどう)し光を放つなど怪現象が発生した。驚いた長政は島に返納、谷に金の機物などを埋めた」。沖ノ島第三次学術調査隊がまとめた『沖ノ島調査報告書』(昭和54年刊行)では、この「金の機物」とは辺津宮に伝わる「金銅製高機」のことではないかと解説しています。不思議なことに『筑前国続風土記』(18世紀初頭・貝原益軒)など以後の記録類には沖ノ島の遺跡や神宝への言及は一切ありません。先述の記録が禁忌を守る地元だけでなく福岡藩の人にとっても強い規制になったのかもしれません。

さて、九州歴史資料館のボランティア活動を通じて機織りに関心を持った筑紫野市在住の芝本卓美さんが、この金銅製高機の復元にチャレンジ。元技術者のスキルを発揮し、ホームセンターなどで原材料を集め約1カ月で完成させました。

昨年10月、宗像市へ寄贈していただき、現在は海の道むなかた館で展示しています。ぜひその精巧さをご覧ください。

    (文化財職員白木)

  • 芝本卓美作 「金銅製高機」 模造品の画像

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教育部 世界遺産課
場所:海の道むなかた館
電話番号:0940-62-2600
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