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時間旅行ムナカタ第99回「王者の武装 田野瀬戸古墳の胡籙」

更新日:2021年8月4日

胡籙とは中国に起源を持つ矢入れ具の一種で、腰から下げて使用します。全国的にも出土例が少ない武具ですが、平成16(2004)年、玄海東小学校付近にある田野瀬戸古墳(6世紀・古墳時代後期)から3、4個体分出土しました。いずれも革と考えられる有機質部分が消失し、金具部分がバラバラになった状態で出土しましたが、復元すると下図のような形になると考えられます。腰に巻くベルトに取り付ける吊手金具や、矢じりの収納部に取り付けられた勾玉状金具など(図の黄色部分)の形状は、時期や伝来などを考える上で重要な手がかりとなります。

これまでの研究では、朝鮮半島南部の大伽耶国(3世紀~562年)や北西部の百済国(4世紀~660年)の製品に似ているほか、特に両国の王墓が集まる古墳群でも同じ部品構成のものが出土し、まさに「王者の武装」ともいうべき品です。さらに東アジアに目を向けると、高句麗国(紀元前3世紀~668年)の徳興里壁画古墳では馬に乗り胡籙を装着した人物が描かれているほか、ソウル南部の武人の墓地である新鳳洞古墳群でも胡籙が出土。武人のシンボルとして、東アジア全体で重宝されていました。

ここで田野瀬戸古墳の被葬者を考えてみると、海を臨む丘の上の前方後円墳で、漁具も多数出土していることから、宗像海人族を構成する有力な首長の一人と考えられます。北部九州では、こうした首長が海上交易活動の折に朝鮮半島から入手した可能性が考えられます。田野瀬戸古墳の出土遺物を詳しく調べると、東アジア世界との海上交易活動に従事していた被葬者の姿とともに、東アジア世界で躍動した宗像地域の繁栄が見えてきます。

(文化財職員・太田)

胡籙

  • 胡籙の画像

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